Aug 05, 2011

ドラゴンネストは、視野を移動するのが面白い

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 [11日 ロイター] 中国の政府系ファンドが銀行株の買い支えに乗り出したことは、当局が金融緩和に舵を切る第1歩で、いずれは利下げにつながる可能性がある。

 だが、そのプロセスは緩やかなペースとなる見込みで、金利など直接的なツールを活用する前に、過剰融資の抑制を目指して過去数カ月の間に導入した一連の引き締め策を一部解除するなどの措置が取られそうだ。

 それらの措置としては、2008年に実施したような新規株式公開(IPO)の停止、銀行に対するいわゆる「懲罰手形」購入義務付け措置の緩和、定例オペを通じた資金供給の拡大などが考えられる。

 だが、現在の経済環境は金融危機に見舞われた2008年とは全く異なる。経済成長ははるかに力強い。ただ、融資の受けにくさなどが数少ないエアポケットとなっているため、銀行支援などに的を絞った措置から着手することが妥当のようだ。

 中国国際金融(CICC)のグローバル株式ストラテジスト、Hong Hao氏は「これ(銀行株の買い入れ)は、政府とのさらなる協調策の手始めだ。誰かがいずれかの時点で引き金を引かなければならない。ただ、人民銀行がいつ金融緩和に踏み切るかを予測するのは困難だ」と述べている。

 銀行筋によると、政府系ファンドである中央匯金投資による4大国有銀行株の買い入れは、比較的小規模だったもよう。

 しかし、それは「銀行が困難に直面すれば政府が支える」という明確なメッセージとなった。実体経済に対しても、資金が不足しないよう、政府が銀行に対して融資を促すことを示す重要なシグナルを送る形となった。

 中国の銀行株は今年になって、不動産市況の悪化で多額の借り入れを行っているデベロッパーや地方政府向けの貸し出しが焦げ付きかねないとの懸念から急落していたが、中央匯金投資による買い支えを受け、11日の取引で4大銀行株が急上昇した。

 <2008年と同じプロセス>

 中国は以前にも、積極的な金融緩和に乗り出す前に銀行株の購入に乗り出した経緯がある。

 当時のメディア報道によると、リーマン・ブラザーズが破たんした数日後の2008年9月、政府系ファンドが4大国有銀行株の買い入れに乗り出した。

 それは積極的な金融緩和策の前触れとなり、それ以降、金利が合わせて2%ポイント引き下げられたほか、6000億ドル近い景気刺激策が打ち出された。

 もっとも、今回も2008年のような金融緩和が繰り返されるとは考えにくい。経済環境が全く異なっているためだ。だが、市場への介入に続いて幅広い政策措置が発動されるというパターンは、今回も当てはまる可能性がある。

 経済環境が悪化しなければ、当局は金利を引き下げる前に、小規模企業への貸し出し促進など、小さな措置で対応する見通しだ。

 当局は、金融危機当時のように大量の資金供給を実施すれば、疑問のあるプロジェクトに資金が流れ、不良債権が増加する恐れがあると懸念している。

 <政策変更のタイミング>

 人民銀行はリーマン破たんを受け、2008年にわずか3カ月の間に急ピッチで利下げした後、2010年10月には再び引き締めに転じた。

 金融引き締め局面における5回の利上げと12度に渡る準備預金率の引き上げを受けて金融がひっ迫し、特に小規模企業の間で、国有銀行から十分な融資が受けにくくなったとの声が上がっている。

 温家宝首相は先週、銀行に対し、中小規模の企業については不良債権比率がやや高くなっても容認するよう求めるとともに、政府は急速な物価上昇は「とりあえず抑制されている」と述べ、引き締めサイクルを終えた可能性をほのめかした。

 ロイター調査によると、14日に発表される9月の消費者物価指数(CPI)は6.1%上昇が予想され、物価圧力がやや緩和したことが示されるもよう。だが、それでも政府が目標としている4%は大幅に上回る水準だ。

 物価圧力の緩和が続いたとしても、引き締めサイクルから緩和に転じるには、いくつかのハードルが待ち構えている。

 最も大きなハードルは、来月20カ国・地域(G20)首脳会議が開催されることだ。欧州の債務問題が議論される今回のG20の結果次第では市場が大きく変動する可能性があり、その前に大きな政策変更を打ち出すのは大きなリスクを伴う。

 政策変更の次のチャンスは、中国政府が経済政策について議論する会議を開催する12月となろう。だが、着実な経済成長が続いている限り、大幅な政策変更を行うには早すぎるきらいがある。

 <次のステップ>

 利下げのきっかけとなり得るのは、経済成長の著しい減速だ。来週発表される国内総生産(GDP)データは、利下げを正当化するものとはなりそうにない。

 ロイター調査では9.2%の成長が見込まれており、ハードランディングにはほど遠い。

 HSBCのストラテジスト、スティーブ・サン氏は、中国経済に対する投資家の見方は過度に悲観的だと指摘する。

 同氏は、顧客向けリポートの中で「市場はハードランディングの確率が70%あると見込んでいる」とした上で、それはHSBCの予測である8―9%の成長率とは符合しない動きだと指摘した。

 成長率がその水準で推移し、銀行融資がさらにひっ迫すれば、預金準備率の引き下げが論理的に妥当なステップとなろう。不動産市場の鈍化が急激な価格下落につながった場合は、住宅購入に関する規制措置の一部が解除される可能性もある。

 (Emily Kaiser記者;翻訳 長谷部正敬)

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